ゆるーいのがいいね

人生折り返し地点に思うことや好きなことを連ねます

三浦綾子 「氷点」

お題「一気読みした本」

 

 ずっと読書が苦手だった35年間。少しずつ小説を読み始めることができるよになったのは、当時営業で担当していたお客様から、1冊ずつ本を借りて読み始めたおかげでした。

 

 前置きはこの辺にしまして、「氷点」ついて言いますと、学生の頃に北海道に魅せられ、何度も通うようになった時に、同著の「泥流地帯」を読んだことがありました。

 十勝岳の噴火による、周辺の町や村を壮絶に描いたもので、北海道のなかでも、とりわけ美瑛(びえい)という、丘の景色の美しい町がお気に入りで、十勝岳の影響でできた丘の風景、その裏にある過酷な自然の脅威によってできていることを知りました。

 その流れで、何冊か本が苦手ながらも手にとっていましたが、途中で諦めることが多く、いつしか三浦文学から遠のいていました。

 

 そんなことを思い出し、再び三浦文学に触れてみようと読み始めたのが、代表作の「氷点」です。

 具体的な内容はここでは書きませんが、ここまでのストーリーをよく描けるもんだなあというのが、率直な感想です。

 とにかくもう、涙が止まりませんでした。それも嬉しかったり、悲しくなったり、喜怒哀楽の波が次々と押し寄せてくるようなストーリーです。

 「氷点」「続氷点」といっきに1400ページを読み切った時の感動と涙は生涯忘れられないものです。人間の奥深くに流れる深い愛と、なぜか紙一重のドロドロした憎悪。愛の引き換えに憎悪と憎悪がぶつかり合う、まさに泥流のさまを、鋭く、そして潔く読者に問いかけています。

 一読の価値ありです。